琥珀色のブックエンド

well-beingの実現がライフワーク

お酒の選び方で、自分や相手の感情をコントロール出来るかもしれないという研究

お酒を飲むと、色々な感情がオープンになりますよね。

饒舌になる人、怒りっぽくなる人、涙もろくなる人、艶っぽくなる人・・・ 

飲むお酒の種類によって、湧き出てくる感情が変わるという研究報告があります。 

研究を活用すれば、お酒の選び方で自分や相手の感情をコントロール出来るかもしれません。

この記事では、ビジネス、プライベート、あるいは自宅でのお酒のシーンを、より良く演出するためのヒントを紹介したいと思います。

 

アルコールの歴史と文化

アルコールの歴史は深く、紀元前8500年の古代メソポタミアでビールが飲まれていたという記録があります。紀元前7000年には、ワインが登場したそうです。ウィスキーやジンなどの蒸留酒の歴史はずんぶん新しく、12世紀頃から飲まれ始めたそうです。この他にも、さまざな種類のお酒が登場し、私たちの文化に大きな影響を与えてきました。

 

これ程までにお酒のバリエーションが広がり文化を築いてきた理由は、やはりアルコールが私たちの”感情”に大きな影響を与えてきたからでしょう。

人は感情で動きます。人と人とのコミュニケーションは、”感情”と情報の共有です。

組織の意思決定も、”感情”とロジックでなされます。

この”感情”の部分をうまくあぶり出すために、私たち人類の歴史において、お酒がずっと活用されてきたのだと思います。

 

お酒と感情との関係

イギリスNHS(国民保険サービス)のチームが、「どのお酒が、どんな感情を、より効果的にあぶり出すか?」という研究を、2017年にBMJ Openという医学系学術誌に報告しています。

18歳から34歳の29,836名を対象に、過去1年間を振り返ってもらい、蒸留酒、赤ワイン、白ワイン、ビールという4種類のお酒と、9種類の感情との関連の強さを自己申告で回答してもらいました。

f:id:millennial:20190126080908p:plain

アルコールを飲んだ時に、ある感情が湧き上がる人の割合(%)

(引用論文)

Ashton K, Bellis MA, Davies AR, et al  BMJ Open 2017;7:e016089.

Do emotions related to alcohol consumption differ by alcohol type? An international cross-sectional survey of emotions associated with alcohol consumption and influence on drink choice in different settings | BMJ Open

 

シーンごとに最適なお酒の選び方

例えば、スピリッツを飲むと約58%の人が元気な気分になると回答しており、他のお酒よりも高いスコアです。つまり、もし後輩を元気付けようと飲みに誘った場合は、ビールやワインよりも、ジンやウォッカのようなスピリッツを飲ませてあげるのが良さそうということです。

一方で、スピリッツは、攻撃的な感情を加速させてしまう可能性も高いので、元気付けようと飲ませていたら、だんだん相手が攻撃的な口調になって手がつけられなくなるかもしれません。そんな時は大人しく切り上げることをお勧めしますが、どうしても相手が飲み足りなさそうであれば赤ワインや白ワインのような攻撃性のスコアの低いお酒を勧めるのが良いでしょう。

 

他にも演出したい状況ごとに、自分や相手のお酒の種類を選ぶと良さそうです。

●相手にリラックスしてもらい打ち解けたいなら、

 ⇨ 赤ワインかビール

●セクシーなムードを演出したいなら、

 ⇨ ワインよりもマティーニ(ジンベースのカクテル)

●飲み会の場で自信を持って振る舞いたいなら、

 ⇨ スピリッツやビール

 

なんとなく過去の経験と照らし合わせても納得感ありますよね。

それがサイエンスで証明されたという興味深い研究でした。

 

お酒は楽しく、ほどほどに。

このブログは、”ミレニアル世代がウェルビーイングに関する知識を身につけて、人生100年時代をより心地よく生きよう!”というコンセプトで書いています。節度を守った適正飲酒で、よりよい生活を実現していただければ嬉しいです!

 

参考記事

wired.jp

マッキンゼーで学んだ感情コントロールの技術

マッキンゼーで学んだ感情コントロールの技術