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WHOも警告する若者の難聴リスク|音量設定とイヤホン選び

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WHO ITU standard for safe listening devices EC approved2019

若者の2人に1人 世界で11億人が、スマホ等で大音量の音楽を聴いていることで、難聴のリスクにさらされている、というニュースが流れています。

ミレニアル世代の健康課題として気になるので、情報ソースであるWHO(世界保健機関)の声明を確認してみました。

 

2月12日、"WHO ITU standard for safe listening devices EC approved2019" という、大音量の音楽と難聴リスクに関するレポートが発表されています。

WHOの警告:音楽と難聴リスク

世界の中高所得国に暮らす12-35歳のうち、50%近くがスマホやMP3プレーヤーで”安全ではない音量”で音楽を聴いているそうです。

また大音量で音楽を聴いた時の影響は、一時的なものではなく、耳の感覚細胞などに永久的なダメージを与えてしまいます。

(ライブやクラブで大音量を聴いた直後は、耳がぼーんとなって、一時的にダメージを受けている感覚はありますよね。それが実は永久的だというのは衝撃的です。)

この大音量のダメージ量は、[音の大きさ]と[音を聴いた時間]の掛け合わせで決まるそうです。

WHOでは目安となる、[大きさ(dB : デシベル)]と[時間(週あたり)]を示しています。一例を挙げると、

80dBなら、週に40時間以内

95dBなら、週に2.5時間以内

がリスクのある基準だそうです。また子供など感度の高い人は、もっと厳しい基準(80dBなら、週に12.5時間以内)を設定しています。

スマホで聴いてる音楽は何dB(デシベル)?

では80dBとか100dBは、どの位の音の大きさなのでしょうか。

こちらのWebサイトに、日常生活における音の大きさの目安が記載されています。

http://www.toukansoku.co.jp/products/souonn7.html

 80dB   地下鉄の車内

 90dB   騒々しい工場の中

 100dB ガードレール下

なんとなくイメージ出来ますが、実際にイヤホンで聴いている自分のスマホの音量が、何dBなのか気になりますよね。

参考になる情報として、ウォール・ストリートジャーナルの記事がありました。

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スマホなどの携帯音楽プレーヤーの音量は、最大設定で105dB、平均的な音量設定でも94dBになるそうです。

94dBだと、先ほどのWHOの基準では週に2.5時間、1日あたり21分程度でオーバーしてしまいます。通勤通学だけでも超えそうですね。

 

80dB程度なら週に40時間という基準なので、この位の音量設定にしたいです。

自分が今聴いている音量が、何dBか分かりますか?

19年2月時点では、WHOもまさにこの状況を課題認識していたようです。

そこで、スマホやMP3プレーヤーに、どれくらいの時間、どのくらいの音量dB(デシベル)で音楽を聴いたかを確認できるようなアプリを掲載するよう提案していました。

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WHO ITU standard for safe listening devices EC approved2019 より

そしてその後間もなく、iOSアップデートにより「ヘルスケア」という標準アプリで音量とその時間履歴が表示されるようになりました。iPhoneやiPodなどで音楽を聴いている方は、一度自分がどのくらいの音量で聴いているか確認することをおすすめします!

今の状態を確認できれば、今週は大音量で音楽を聴きすぎているから控えようとか、普段からもう少し小さい音で音楽を聴こうとか、自分で見直せそうですよね。

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iPhone ヘルスケア>ヘッドフォン音量

耳にやさしいイヤホン・ヘッドホン

より耳に優しく良い音楽を楽しむ方策の一つとして、ヘッドホンの方が、耳への負担は小さいようです。耳に差し込むイヤホンタイプより、頭にかぶせるヘッドホンタイプの方が、音量が約9db小さくなるという報告があります。 

日常生活でヘッドホンは目立つから、イヤホンが良いという方もいると思います。

その場合、ノイズキャンセリングタイプが良さそうです。周囲の音をかき消してくれるので、音量設定を小さくしても十分に音楽を楽しむことができます。

難聴は、認知症やうつのリスク因子

難聴には、耳が聞こえにくくて生活に困るという以外にも、不具合があるそうです。

認知症は原因不明で予防できない病気というイメージがあるかもしれませんが、生活習慣次第で予防できるそうです。その一つの要素が「難聴」です。

難聴になると徐々に周囲とのコミュニケーションが減ってしまうことが多く、その結果として認知機能が低下していくと言われています。予防できる要因の中で、難聴は認知症の最も大きな危険因子であるという研究者もいる程です。

同じように難聴によるコミュニケーション不足が要因で、うつ状態になる可能性が高くなることも報告されています。

こうした研究結果を知ると、たかが「難聴」とは言えませんよね。

POINT

WHOが推奨する難聴対策は、80dBなら週40時間以内

標準アプリで、普段の音量や時間を確認してみよう

難聴は将来の認知症リスクを高める

人生100年時代、携帯音楽プレーヤーの音量設定やイヤホンを見直して、将来の難聴ひいては認知症のリスクを少しでもケアしてみてはいかがでしょうか!

地下鉄の車内と同じ位の音量(80dB)なら、週40時間聴いてもWHOの示す基準内です。私はひとまず、この位の音量をイメージして音量設定してみようと思います。