コーヒーの淹れ方ってたくさんありますよね。
ペーパードリップ、エスプレッソ、フレンチプレス、カプセルマシン・・・
どれも違った美味しさがあって、それがコーヒーの醍醐味でもあります。
ただ「健康」という切り口では、より良い抽出方法があります。
タイトルの正解は、ペーパードリップ。
本記事では、ペーパードリップのコーヒーがなぜ健康的なのか、最新の(2020年リリース)論文をもとに解説します。
またそんな健康に良いペーパードリップでコーヒーを淹れるための、おすすめアイテムも紹介します。気持ちよく1日を始めるための朝のルーティーンに最適です。
コーヒーと心血管疾患の関係
複数の研究で、ペーパーフィルターで濾過したコーヒーが推奨されている。
スウェーデンのイエーテボリ大学で公衆衛生などを研究するダーグ・テレ主任教授は、「フィルターを通さずに淹れたコーヒーには、血中コレステロールを高める物質が含まれる。フィルターを使えばこれらの物質は除去され、心臓発作で早死にするリスクは低くなる」と説明。今回の研究により、コーヒーの淹れ方が心臓発作や長寿の問題に関連することを示唆する有力な証拠が得られたと述べた。
Coffee consumption and mortality from cardiovascular diseases and total mortality: Does the brewing method matter?
ノルウェーで行われた研究では、508,747名の男女(20-79歳)を対象に約20年間フォローアップして、コーヒーの飲み方と死亡リスクの関係を観察している。
2020年に発表されたこの研究によると、濾過したコーヒーを飲むグループが最も死亡リスクが低い。コーヒーを飲まないグループと比較して、死亡リスクが15%低い。
ハザード比の算出にあたっては、年齢・性別・中性脂肪・血圧・運動レベル・教育歴などコーヒー以外の他の影響は除かれている。なのでこの研究成果は、コーヒーを飲む習慣の違いを、精度高く反映していると考えられる。上表は男性のみのデータだが、女性に限っても同様の結果だった。
またコーヒーを飲む量についても調べられており、フィルター濾過されたコーヒーを1日1−4杯飲むのが最も死亡リスクが低いという結果だった。
コーヒーが死亡リスクを下げるのは、コーヒーに含まれるポリフェノールの効能。
LDLコレステロールの酸化を防いで、血栓を出来にくくしたり血管内皮機能を高めたりしていると考えられる。
またフィルター濾過されたコーヒーがより死亡率を下げた理由は、コーヒー由来の精油成分が濾過によって1/30程度に減っているからと考えられる。カーウェオイルなどの精油成分は、体内の中性脂肪や悪玉コレステロールを増やすと言われている。
この研究に先んじて、ノルウェー保健局は心血管疾患予防の食事に関する新ガイドラインで、できるだけ避けたほうがいい飲み物として、ノンフィルターコーヒーを追加していたようだ。
時にはフレンチプレスやエスプレッソなどフィルター濾過されていないコーヒーの濃厚な味わいを楽しむのも良いと思うが、これだけ研究が揃っているなら、毎日飲むのはペーパードリップなどフィルター濾過されたコーヒーが良いように思う。
抽出方法によるコーヒーポリフェノール量の違い
コーヒーを飲むグループの死亡率が低かったのは、コーヒーに含まれるポリフェノールの影響とのことだった。
そこで、ポリフェノールを効率的に抽出する方法を紹介する。
代表的なコーヒーポリフェノールであるクロロゲン酸について、抽出方法による抽出量の違いを調べた高屋らによる研究がある。(日本食生活学会誌 2005 年 16 巻 3 号 p. 224-229)
抽出温度とポリフェノール量
→ 85 - 95℃の間で大きな差はなく、普通に沸騰したお湯をそのまま使えば良さそう。
抽出器具とポリフェノール量
→ ペーパードリップかサイフォン式が良さそう。
コーヒーメーカーは、ややクロロゲン酸量が少なめ。
水の種類とポリフェノール量
→ 軟水のミネラルウォーターや浄水器の水、水道水でよさそう。
日本の水道水は基本的に軟水なので、ポリフェノールの抽出量という点では問題なし。
コントレックスなどの硬水は、ややクロロゲン酸量が少なめ。
まとめると「水道水や国産のミネラルウォーター」を「ポットで沸かして」、コーヒーを「ペーパードリップで抽出する」のが、効率的にコーヒーのポリフェノールを摂る方法。
毎朝のハンドドリップには、バルミューダのポットがおすすめ
上の研究結果は、すでに毎朝ペーパードリップでコーヒーを飲んでいた方には朗報だ。
そういった方には、より心地よくハンドドリップできる「バルミューダのコーヒーポット」をオススメしたい。まず機能が素晴らしい。
- 1−2人分のコーヒー湯量がすぐに沸くケトル
- 注ぎ口が細く、均一に豆にお湯を注ぎ抽出できる
今まで普通のケトルで沸かしたお湯を、別の注ぎ口が細いドリップ用ポットに移し替えていたという方は、すぐに購入を検討して欲しい。1台2役のこのアイテムは本当に便利。
何よりデザイン性と触った時の高揚感は別格。
バルミューダのポットについて、詳しくはこちらの記事を参考にしてみて下さい。
毎朝お気に入りのバルミューダのポットでお湯を沸かし、静かにコーヒーをハンドドリップして、美味しいコーヒーを飲むことから始まる1日は最高です。しかも健康にも良い。
忙しい朝にも是非モーニングルーティーンとして取り入れて欲しいと思います!