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薬剤師の視点で、花粉症の市販薬を比較

病院で処方される花粉症の薬について、市販薬と効果が同じものは保険適用から外されるかもしれない、という議論がなされています。もし保険適用がなくなれば、現在3割負担(70% OFFの大バーゲンセール)で済んでいる費用が全額負担となります。

悲報?花粉症薬の保険適用外とは | 医療 | NHK生活情報ブログ:NHK

保険がきいて安いから病院に行って薬を貰っていたという方には、一つの選択肢として薬局で市販薬を購入することもあるでしょう。ただドラッグストアの店頭やAmazonの商品ページを見ると、花粉症対策の市販薬が何種類も並んでいて、どれを買うべきか迷う方もいると思います。そこで数ある花粉症の市販薬を、次の4つの薬剤師の視点で比較してみました。どの市販薬を選べばいいか迷っている方の参考になれば嬉しいと思います。

・病院での採用医薬品の傾向

・効能メカニズムと、開発の歴史

・薬価と比較したコストパフォーマンス

・生活スタイルにあった選び方

視点1)病院での採用医薬品の傾向

まず、病院でどんな抗アレルギー薬が処方されているかという視点を参考とする。昨今EBM(Evidence based medicine)「根拠に基づいた医療」が基本の考え方としてあり、医師個人の経験だけでなく多くの臨床現場のエビデンスをもとに最適な医療が標準化されている。つまり国内の多くの医師が処方しているメジャーな治療法が、現時点での一般的にベストだと考えられる。

現在、病院でのメインの処方は「抗ヒスタミン薬・1種類」となる。抗アレルギー薬にはいくつかの種類があるが、2013年度から2017年度までの5年間、ずっと「抗ヒスタミン薬」がトップシェアである。また医療機関や症状によって2種類以上の抗アレルギー薬を処方されることもあるが、1種類だけ処方されているケースが最も多い。

 

引用:抗アレルギー薬の薬剤料の推移等について 厚生労働省保険局調査課 (平成31年4月)

POINT

病院では抗ヒスタミン薬が使われている 

視点2)効能メカニズムと、開発の歴史

抗ヒスタミン薬の欠点は、アレルギー症状だけでなく中枢機能も抑えてしまい「眠気」や「喉の渇き」といった副作用が生じてしまうこと。

この欠点を補うために、なるべく中枢機能には作用せずアレルギー症状に選択的に効くように開発されたのが第二世代 抗ヒスタミン薬である。

POINT

副作用の少ない第二世代抗ヒスタミン薬がおすすめ

 

Amazonでも買える「第二世代 抗ヒスタミン薬」一覧

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花粉症対策 市販薬の比較

視点3)花粉症市販薬のコストパフォーマンス

病院や診療所で処方される医療用医薬品の大半は、「薬価」といって国が一定の基準をもとに公定価格を定めている。製薬企業や病院が自由に価格を設定しているわけではなく、私たちは「薬価」に基づいた価格を支払っている。「薬価」は似たような薬と比較して、画期性や有用性などをもとに算出される。

一方、処方箋がなくても買える一般の市販薬の場合は、薬以外の商品と同じように民間企業が自由に価格を決めている。

この薬価と市販薬との価格ギャップに注目すれば、市販薬のコスパが見えてくる。国が定めている「薬価」に対して市販薬の値段が割高かどうか、価格差を検証してみた。(上表)

すると多くの市販薬は薬価とほぼ同じ価格となったが、ザジテンやストナリニZは薬価に対してそれぞれ約3倍・6倍と割高であるように感じた。

ちなみに「アレグラ 」と、「アレルビ」・「ST」・「アレジークHI」とで同じ成分なのに価格差があるのは、「アレグラ 」が先発品だからだ。先発品と後発品の違いはこちらの記事を参照して欲しい。

POINT

「アレルビ」・「ST」・「アレジークHI」は、後発品でコスパが良い

視点4)花粉症市販薬 用法・注意表示の見方

用法に関する主な違いは、「1日1回」か「1日2回」かという点。1日2回だと飲み忘れることが多いという方は、1日1回がおすすめ

また使用上の注意で特に気にしたいのが、自動車の運転。副作用の少ない第二世代抗ヒスタミン薬とはいえ、集中力を要する自動車の運転については注意表記がなされている市販薬もある。注意表記の強い順に「従事させない」「注意させる」「記載なし」となる。利用者の生活スタイルに応じて検討材料のひとつにして欲しい。(上表)

例えば、「飲み忘れがちで、自動車の運転もよくする」方なら、1日1回で自動車に関する記載のないクラリチンがオススメ。

POINT

注意表示は、飲む回数と車の運転に着目

花粉症の市販薬デビューしやすいST・アレルビ

どの市販薬が効くかは個人差もある。ただコスパや生活スタイルとのマッチ(用法・使用上の注意)に関しては、ある程度客観的に比較できる。

花粉症の薬を検討される時は、まずは「第二世代抗ヒスタミン薬」が主流だと思う。そしてコスパや生活スタイルへの影響(自動車の運転)を加味すると、1日2回飲み忘れる心配があまりないなら「フェキソフェナジン錠 ST」「アレルビ」といった市販薬がはじめやすいのではないかと思う。その上で、「飲み忘れが多いから1日1回が良い」とか「よくCMを打っているブランドが安心する」とか「自分には○○がよく効く」などそれぞれに合った市販薬を選ぶのが良いと思う。

本記事も参考にしていただき、ご自身にマッチした花粉症の市販薬を選んで欲しい。もちろん症状が重くて市販薬では十分に効かないという方や、その他不安のある方は、病院や診療所を受診していただきたい。

【第2類医薬品】アレルビ 56錠 ※セルフメディケーション税制対象商品

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  • 発売日: 2016/11/25
  • メディア: ヘルスケア&ケア用品
 

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薬価については、「薬価サーチ」というウェブサイトを参照させて頂きました。市販薬の価格は、2020年3月時点でのAmazonで売価を参照しています。