琥珀色のブックエンド

well-beingの実現がライフワーク

健康に好影響の出るランニングの要件(頻度・距離・時間・スピード)

外出自粛の影響で、運動不足を解消しようと、ランニングをする方が増えています。私も意識的にランニングの時間を確保するようにしています。

とはいえ、なかなか続けらないという方もいると思います。(私もその1人です・・笑)

リモートワークをしていたら、いつの間にか外が暗くなっていた

雨の日は走る気がしない、暑い日は、、寒い日は、、、

理由は人それぞれ。走らない理由を探せばキリがありません。

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本記事では「最低限、どのくらいのレベルでランニングをすれば、健康に効果が見られるか」という疑問に答える研究を紹介します。先に少しだけ結論を。

毎日走らなければというプレッシャーは無用!

週に何度かランニングをサボってしまっても心配しないで!

自分のペースでランニングを続けていけば、健康に好影響はあります!!

ランニングが死亡リスクに与える影響を調べたアイオワ州立大学のLee博士の研究によると、必ずしも毎日ランニングを続けなくても死亡率を低下させるという結果が出ています。また時間や距離についても、それほどハードに走りこまなくても十分に良い影響があるそうです。

私自身を含め”ゆるランナー”の背中を押してくれる研究成果ですね。

Leisure-Time Running Reduces All-Cause and Cardiovascular Mortality Risk

J Am Coll Cardiol. 2014 Aug 5; 64(5): 472–481.

アメリカで行われた研究で、55,137名の男女(18-100歳)を対象に約15年間フォローアップしてランニングの習慣と死亡率の関係を観察しています。

ランニング習慣と死亡リスク

ランニングしないグループに比べて、ランニングするグループは、観察期間内の死亡率が30%も低かった。また心血管系の死因(心筋梗塞や脳卒中など)に限ると45%も低いという結果だった。

寿命で見ると、ランニングしない方は3年短い

なお、年齢や性別の影響を調整したデータなので「お年寄りほどランニングの習慣がなくて、結果的に死亡率が高い」というわけではない。

週ランニング時間と死亡リスク

次の表は、1週間あたりのランニング時間ごとの死亡率を示している。

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J Am Coll Cardiol. 2014 Aug 5; 64(5): 472–481. Table.3改変

ランニング習慣なしのグループに比べて、ランニングするどのグループはどの時間でも死亡リスクが低い。一番時間の短い「週51分未満」のグループでも、死亡リスクは低い。もっと長い時間ランニングをしているグループと比べても全然遜色ない結果。

心血管疾患による死亡率に限っても、「週51分未満」のグループで十分に死亡リスクを低下させるデータが示されている。

ランニング走行距離・頻度・速度と死亡リスク

週のランニング走行距離の目安

走行距離については、ランニング習慣なし、週6マイル(約10キロ)未満、週6-8マイル、週9-12マイル、週13-19マイル、週20マイル(約32キロ)の6つのグループで同じような解析をしている。こちらも、ランニングさえすれば死亡率が低いという結果に。「週10キロ未満」のグループでも、もっとたくさん走るグループと比べて全く遜色なく、健康への好影響が見られる

週のランニング頻度の目安

頻度についても同様。ランニング習慣さえあれば死亡率は低くなる。「週に1,2回」のグループでも、より多く走っているグループと比べて全く遜色ない。

ランニング習慣のないグループに対して、「週に1,2回」の死亡リスクはHR:0.65倍となっている。「週3回」「週4回」でもHR:0.68倍、0.67倍とほぼ変わらないデータ。

ランニング走行速度の目安

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J Am Coll Cardiol. 2014 Aug 5; 64(5): 472–481. Fig.2

速度については、ある程度速い方が良いかもしれない。時速6マイル(9.6キロ)未満のグループもランニング習慣のないグループよりは死亡リスクは低い(HR:0.81倍)。ただよりスピードの速い、時速7.1-7.5マイル(約12キロ)以上で走っているグループの方が、さらに死亡リスクが低い(HR:0.63倍)

初心者でも続けられて、効果もあるランニング要件

研究結果をまとめると、次の条件をクリアすれば十分な健康メリット(死亡リスクが低い)が得られそうです。”ゆるランナー”でも無理なく続けられそうな数字ですし、これよりもゆるい条件でも健康メリットは実証されています。

POINT

週のランニング時間  合計50分

週のランニング頻度  1−2回以上

週の走行距離     10キロ

ランニング速度    時速12キロ

週に2回25分ずつのランニングなら続けられそうな気がしませんか!

これで健康効果が十分にあるというデータは、初心者にも優しいですよね。初めから高すぎる目標を掲げて挫折するのは勿体無いので、まずは「週2回25分ずつ」を目指してランニングしてみてはいかがでしょうか!

最後の「時速12キロ」という条件だけは、少しハードだと思います。「時速9.6キロ未満」のグループでも健康効果は確認されているので、無理ないペースで大丈夫です。

ランニングをする上で、初めのうちはスピードや距離を気にするよりも、頻度や時間を意識する方が継続しやすいとよく言われます。

なので「週2回25分ずつ」という数字を意識して、ランニングを習慣化したいと思います。5万人を15年に渡り観察したデータから、それで十分に健康ベネフィットがあることが証明されています。自信を持ってにわかランナーの一歩を踏み出しましょう!

さらに Fitbitのようなデバイスがあると時間や距離、心拍数などが記録できてモチベーションも上がります。ランニングを習慣化できそうになったら、自分の記録が良くなっていくのを確認するとより楽しくなります。