つみたてNISAの非課税枠は、1年あたり40万円です。
この枠を活用するのに、2つの考え方があります。
1)年初など早い時期に、一括で入金する派
2)毎日(or 毎週 or 毎月)コツコツ積立派
年初一括か毎日積立、どちらが有利なのでしょうか?
それぞれのメリットを整理しつつ、過去の運用成績を基にしたシミュレーションも踏まえて、私なりの結論を考えてみました。
年初一括投資のメリット
年初に1年分の投資資金をまとめて投入する方法です。つみたてNISAの非課税枠をMAXで活用する場合、40万円を1月初めに投資します。
先進国株インデックスファンドなどは、長期的に見れば平均して年利+5%の上昇を期待できます。年始に一括投資すれば、1年分の上昇率+5%の恩恵をフルに期待できます。
毎月や毎日の積立投資だと、半分の+2.5%程度の恩恵しか得られません。例えば1月に投資した分は翌年1月には1年間分(12ヶ月分)の上昇率が期待できますが、7月のは6ヶ月分、12月のは1ヶ月分の上昇率しか期待できません。
でも1月が高いタイミングだったら損しちゃうじゃないか・・
例えばダウ平均株価の場合、過去70年(1950-2019)の年間成績は50勝20敗です。単年では損する可能性もありますが、長期投資を見据えるなら期待値が上回ると考えられます。
年初一括なら、年利+2.5%分有利
過去70年 1-12月の年間騰落率は50勝20敗
毎日積立投資のメリット
1年かけて定額で少しづつ投資資金を投入する方法です。つみたてNISAの非課税枠をMAXで活用する場合、毎日1,600円 or 毎週8,000円 or 毎月33,000円すると、年間トータル約40万円になります。
年始に40万円ドカンと投資するのは少し勇気がいるし躊躇もするので、少しずつ入金していくこの方法は安心感があります。またドルコスト平均法により、安いタイミングで多くの株数を買い、高いタイミングで少なめに買うことが出来ます。
さらに楽天カードx楽天証券でつみたてNISAを行えば、1%のポイントがつきます。
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年間の変動幅が大きいほどドルコスト平均法が活きてくるので、年初一括投資よりも有利になると考えられます。
年間変動幅が大きいほどドルコスト平均法が活きる
毎日(毎月)積立なら楽天ポイント1% 分有利
年初一括 VS 積立投資 シミュレーション
つみたてNISA枠において、「年始一括投資」した場合と、ドルコスト平均法で「毎日積立投資」した場合のリターンをシミュレーション比較してみました。
ドルコスト平均法の実力を最大限に発揮するために、毎月や毎週ではなく毎日積立投資で検討します。楽天証券など多くのネット証券会社なら、つみたてNISAの購入手数料はかからないので、毎日積立でも手数料負けする心配はありません。
シミュレーション① 過去5年で検証
投資対象
ニッセイ外国株式インデックスファンド
検証期間
2014年1月~2018年12月
※仮に2014年1月から、つみたてNISAで投資可能だったとします
投資額
年初一括投資:年初営業日に約40万円(1600円x年間営業日)
毎日積立投資:毎営業日に1,600円
「年初一括」「毎日積立」ほぼ同じ成績でした。
つみたてNISA枠を5年間ほぼフル活用した場合、年始一括だと212万9496円、毎日積立だと212万3630円という試算結果でした。5年累計で0.3%差と、ほぼ誤差です。
1年分の株価上昇利率をフルに享受できる一括投資のメリットと、ドルコスト平均法で安い時に多く買い増せる毎日積立のメリットがイーブンという結果でした。
ただしこのシミュレーションには、楽天カードx楽天証券の1%ポイント還元を加味していません。加味すると、この5年で見れば14,000円分も毎日積立投資の方が有利という試算結果になります。
対象5年間(2014-2018)では、「毎日積立」が楽天ポイント分だけ有利
シミュレーション② 過去10年で検証
たった5年間では偶然じゃないの?という意見もあると思います。そこで過去10年分のデータから再度シミュレーションを行います。
ニッセイ外国株式インデックスファンドは2013年に設定されていて10年分のデータが無いので、つみたてNISAの対象ではありませんが米国株(S&P500)で、同様のシミュレーションを実施してみました。
投資対象
S&P500
検証期間
2009年1月~2018年12月
投資額
年始一括投資:年初営業日に3,600ドル
毎月積立投資:月初営業日に300ドル
※米国株ですが、仮につみたてNISAで投資可能だとしてシミュレーションしています(手数料なし)
また配当金は、受けとった直後の投資タイミングで全額再投資するとします
「毎月積立投資」がやや有利という結果になりました。
さらに楽天ポイント分が1%分つくと仮定すると、より定額の積立投資が有利になります。
期間を10年に伸ばし、地域をアメリカだけに絞り、頻度を毎月に変更しても、ドルコスト平均法の実力を確認することができました。
対象10年間(2009-2018)でも、「毎月積立」が有利
つみたてNISAは、毎日積立で
検証結果を踏まえると、つみたてNISAは、毎日積立投資が良さそうです。毎週や毎月でも良いと思います。
ドルコスト平均法は、実際の相場において有効に機能することがわかりました。また多くのネット証券のNISA枠なら、毎回の購入手数料も不要なるので、小まめな積立投資でも手数料負けしません。
さらに楽天カードでの積立投資なら1%分のポイントも貰えます。(毎月の積立上限額が5万円なので、年始一括投資だとフルにポイント還元してもらえません。)
毎月の収支をうまくやりくりして、少しずつ積立投資を続けていけば、大きな資産を築ける可能性が広がります!!
つみたてNISAの年間40万円の枠でコツコツ運用していけば、35年後には3,000万円以上のリターンも十分に期待できます。
年始に40万円も一括投資するのは躊躇する方も、安心して、むしろ自信を持って毎日・毎週・毎月の定額での積立投資を検討してみてください。
まとまった余裕資金は、一括投資で
ちなみに、1年間というスパンなら積立投資がやや優位というシミュレーション結果でしたが、それ以上の長期的なスパンなら、長い期間の年利上昇率を享受しやすい「一括投資」に分があるように感じます。
実際に、先述の「ニッセイ外国株式インデックスファンド」で試してみます。
検証期間
2014年1月~2018年12月
※仮に2014年1月から、つみたてNISAで投資可能だったとします
投資額
初期一括投資:2014年初営業日に約200万円(1,600円x年間営業日)
毎日積立投資:毎営業日に1,600円
グラフは割愛しますが、初期一括投資の方が有利な結果になりました。
最初の2014年に一括投資した場合のリターンは、260万でした。
5年間(2014-2018)毎日積立投資した場合のリターンは、212万円です。
数年に分けて分散投資するより、初年度に一括投資をする方が良さそう
もし現時点でリスク投資に回せるまとまった余裕資金があるなら、近いうちにまとめて投資するのをお勧めします。時間のメリットを最大限享受することが出来ます。
定期的な収入から少しずつ投資に回していこうという場合は、つみたてNISAの非課税枠を活用して、毎日の積立投資を実践してみてはいかがでしょうか。
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※本記事における過去の運用結果に基づくシミュレーションは、将来の運用結果を保証するわけではないことはご了承ください。
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